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新型コロナウイルス対策で政府系金融機関が中小事業者向けに実施した特別融資19・4兆円のうち、昨年度末時点で約1兆円が回収不能か困難な恐れのあることが会計検査院の調べでわかった。特別融資は、コロナ禍で売上高が5%以上減少した中小企業などに実質無利子・無担保や低金利で貸し出されている。特別融資の返済状況が明らかになるのは初めて。
特別融資は2020年3月以降、日本政策金融公庫や商工中金が行い、事業規模ごとに最大6億円~同8000万円を貸し付けてきた。現在は返済が本格化しているが、原材料費の高騰もあり、返済できない企業の倒産が相次いでいる。
検査院によると、昨年度末時点で回収済みなのは約5兆円。一方、倒産などで回収不能になっていたのは1943億円に上り、将来的に回収不能となる恐れがある分が8785億円あったという。検査院は公庫などに対し、貸付先の返済見込みの把握などを求めた。
検査院は7日、22年度の決算検査報告書を公表した。国の無駄遣いや不適切会計は前年度比27%増の約580億円(344件)。このうち法令違反などにあたる「不当事項」は約97億円。コロナ関係は約220億円で前年度から倍増した。